▼定義
嚥下障害,胸のつまり感,胸焼けなどの症状が持続し,食道粘膜の生検で好酸球浸潤が15個以上/HPFみられる疾患である〔第4章の→,「好酸球性消化管疾患」の項(→)参照〕.
▼病態
➊遺伝的要因
家族内集積例の報告が多数あり,また80%程度の患者は30~50歳の男性であるため,なんらかの遺伝的要因の関与が考えられている.
➋環境的要因
春から秋の暖かい季節に発症しやすいことが示唆され,空中のカビや花粉が発症に関与している可能性がある.また,食物抗原をなくしたエレンタール薬などの完全成分栄養食に切り替えたところ,ほとんどの例で1か月程度で改善するため,アレルギー反応誘発因子は食事と考えられる.
主に食物に対するT helper 2(Th2)系のアレルギー反応によって粘膜上皮内や固有層を中心に好酸球が浸潤し,食道運動障害や知覚異常が誘発される.
一方で胃酸の生理的な範囲での食道内逆流によりタイト