▼定義
16歳未満に発症し,少なくとも6週間以上持続する原因不明の慢性関節炎.近年では,治療や治療反応性に関して,①全身型,と②関節型の2つに分けて管理している.
▼病態
➊全身型
自然免疫の異常を背景とし,全身性の炎症を繰り返す自己炎症性疾患と考えられ,インターロイキン(interleukin:IL)-1,IL-6,IL-18などの炎症性サイトカインの過剰産生が深く病態に関与している.病勢が進行するとマクロファージ活性化症候群病態へ移行する.
➋関節型
免疫学的背景に環境因子がトリガーとして働き,軟骨由来の自己抗原に対する自己免疫疾患と考えられている.関節局所では,炎症細胞の浸潤と滑膜組織の増殖による関節軟骨ならびに骨組織の破壊を認め,これらの炎症反応に,炎症性サイトカインが関与する.
▼疫学
有病率は本邦では小児人口10万人対10~15人であり,欧米の有病率と差異はない.しかし,発症病型ごとの
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