疾患を疑うポイント
●小児から若年の女性で発症が圧倒的に多い.
●微熱や頸部痛,易疲労感が初期症状.
●進行すると失神や血圧の左右差が出てくる.
学びのポイント
●大動脈とその第1分枝に炎症が起こり,血管狭窄・閉塞を起こす.進行すると脳梗塞や大動脈弁閉鎖不全症をきたす.
●高齢男性の高安動脈炎も存在するが,基本的には若年女性の疾患.
●非特異的で比較的軽い症状のため診断が遅れ,進行して診断される患者が多い.
●膠原病類縁疾患であるが,自己抗体は認められない.
▼定義
大動脈およびその主要分枝,肺動脈に生じる原因不明の大血管炎であり,血管狭窄に伴う諸症状を呈する.若年女性に多発し,非特異的で比較的軽い症状で発症するため進行してから発見されることが多く,脈なし病ともよばれた.「大動脈炎症候群」は高安動脈炎を含んだより広い用語であるが現在はほぼ使われなくなっている.
▼病態
大動脈は内膜,中膜,外膜の3層からなるが
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