疾患を疑うポイント
●細菌感染症(特に髄膜炎菌など)を繰り返す.
●CH50が常に感度以下のSLE様症状.
●家族性や血便を伴わないHUS.
●家族性,発作性,限局性の皮下浮腫の存在.
学びのポイント
●補体の成分と活性化/制御システムを理解する.
●補体システムの異常は機能の過剰亢進,機能不全に起因し,両者がさまざまな病態の基盤となる.
●CH50が何を評価しているのかを理解する.
▼定義
補体は自然免疫の重要な一翼を担っているシステムである.30種類以上の分子によって構成され,「古典」「レクチン」「第二」の3経路からなる補体の活性化/制御にかかわっている.これらの分子の遺伝子異常によってさまざまな病態が引き起こされる.
▼病態
補体システムでは機能の過剰亢進,機能不全の両者がさまざまな病態の基盤となる.補体欠損症は自然免疫系の免疫不全症を呈し,特に後半成分C5~9の欠損では特徴的な(ナイセリア属)易感染性
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/エクリズマブ(遺伝子組換え)《ソリリス》
- 今日の治療指針2024年版/スチムリマブ(遺伝子組換え)
- 臨床検査データブック 2023-2024/補体価《CH50》 [保] 38点
- 臨床検査データブック 2023-2024/C1q
- 臨床検査データブック 2023-2024/C2
- 臨床検査データブック 2023-2024/C3 [小][保] 70点
- 臨床検査データブック 2023-2024/C4 [小][保] 70点
- 臨床検査データブック 2023-2024/C1インアクチベータ《C1インヒビター,C1エステラーゼ抑制因子》 [保]* 260点
- 新臨床内科学 第10版/2 多腺性自己免疫症候群
- 新臨床内科学 第10版/4 膜性増殖性糸球体腎炎
- 新臨床内科学 第10版/1 高IgM症候群(免疫グロブリンクラススイッチ異常症