学びのポイント
●中枢神経興奮症状に加え,著しい交感神経興奮症状や,高体温を呈する場合にアンフェタミン類の急性中毒を疑う.
●若年者の脳出血,心筋梗塞,大動脈解離は,アンフェタミン類中毒も鑑別の1つとなりうる.
▼概説
アンフェタミン類は,違法薬物のいわゆる「覚醒剤」であり,その主成分はメタンフェタミンだが,アンフェタミンも混在することが多い.疲労感の軽減,気分高揚,多幸感,性感の増強,無食欲などを目的として乱用される.メタンフェタミンとアドレナリン,アンフェタミンとノルアドレナリンは化学式が類似している.MDMAは,メタンフェタミンの化学式を一部変えた合成薬物である.中枢神経興奮症状に加え,著しい交感神経興奮症状や,高体温を呈する場合にアンフェタミン類の急性中毒を疑う.若年者の脳出血,心筋梗塞,大動脈解離は,アンフェタミン類中毒も鑑別の1つとなりうる.薬物簡易スクリーニングキットトライエージD
関連リンク
- 治療薬マニュアル2025/ハロペリドール《セレネース》
- 今日の治療指針2025年版/三環系抗うつ薬
- 今日の治療指針2025年版/ビソプロロール
- 今日の治療指針2025年版/その他のカルシウム拮抗薬
- 今日の治療指針2025年版/アスファルト(アスファルト類)
- 今日の治療指針2025年版/フェノキシ剤
- 今日の治療指針2025年版/水タバコ(シーシャ)
- 急性中毒診療レジデントマニュアル 第2版/[19]メタンフェタミン,メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)
- 急性中毒診療レジデントマニュアル 第2版/[22]コカイン
- 急性中毒診療レジデントマニュアル 第2版/[25]カーバメート
- 新臨床内科学 第10版/2 オピオイド類