診療支援
治療

第8版 序

 この度,本書の第8版を出版する運びとなりました.1987年の初版からは34年,前版からは5年が経過しています.今回は編集者を1名増員して,岩崎倫政,紺野愼一,田中栄,田中康仁,土屋弘行,松田秀一の6名で編集を担当しました.

 前版から今回の第8版までの5年間に整形外科の診断と治療は,日進月歩,着実に大きな発展を遂げています.基本的には,前版の方針を継続して,内容を大幅にアップデートしました.今回の変更としましては,各項目で,「リハビリテーションのポイント,関連職種への指示」などを記載したという点があります.チーム医療の面からの重要性を考慮しまして,より実践的に役立つようにしました.

 トピックスでは,iPS細胞の利用などの再生医療や,シミュレーション手術,ロボット手術などを新たに追加しました.もう数年しますと,整形外科領域でも人工知能,拡張現実,ビッグデータを応用した診断や治療の項目が更に追加となるでしょう.

 また,今版では「先端医療」は「トピックス」にまとめ,各分野の先進技術や特有の話題をコラム形式で掲載しています.長年臨床に携わってこられた経験豊富な先生がたによるコラム「私のノートから/My Suggestion」は,好評につき継続しています.エビデンスが重要であるのは論を俟たないわけですが,医学は経験によるところも非常に大きく,豊富な経験をお持ちの先人たちに,整形外科の核心部分に触れた示唆をいただいています.

 総章数はこれまでと同一の全28章となり,総項目数621項,総執筆者数456名となっています.時間の経過による進歩に伴い,項目の分担を細かくした結果,執筆者数が25名増えました.また,章の冒頭に各部位の臨床的に重要な解剖についての項目を多数設けているのは前版と同様です.本書の作成に当たり,ご多用の中,執筆の労を厭わず,ご協力くださった執筆者各位に厚く御礼申し上げます

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?