診療支援
治療

筋力訓練・測定器
Training and measurement of muscular strength
志波 直人
(久留米大学 教授)

 筋力訓練は,①筋力を回復させる(筋力強化),②筋力低下を予防する(筋力維持),③正常以上に筋力を強化する(筋力増強)に分けることができ,機能向上,ADL・QOL向上,廃用症候群の予防・改善を目的とする.筋力訓練は広く抵抗運動(レジスタンストレーニング)として行われるが,整形外科では症例に即した実施が必要となる.


1.筋力測定と測定器

 臨床では通常,測定機器を用いない徒手筋力テスト(manual muscle testing:MMT)が広く行われる.5:正常,4:やや低下,3:抗重力で全可動域で運動可能,2:重力の影響をなくすと全可動域で運動可能,1:筋肉の収縮はみられるが関節は運動しない,0:筋収縮がみられない,の6段階で評価される.より客観的な評価では,筋力測定器が用いられる.筋力を表す指標には,①力〔force:N(Kgf)〕,②モーメント(トルク:Nm),③移動距離を乗じた仕事量(w

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