【概説】
高周波リニアプローブの技術進歩により,超音波で体表近くの組織を詳細に観察することが可能になった.さらに,装置の小型化やフルデジタル化によって整形外科診療において超音波は必要不可欠な診断ツールの1つになった.超音波では,X線撮影やCTのような被曝がなく,MRIのような時間の制約を受けない.超音波にはその簡便性,高い自由度,動的評価など,これまでの診断ツールにはない長所がある.また,超音波はリアルタイムに動的画像を観察することができるため,患者とのコミュニケーションに役立つのみならず,さまざまな注射や手術にも応用可能である.一方で,描出される画像は検者の技量に大きく左右される.超音波画像の描出と理解には超音波診断装置の基礎知識に加え,解剖学的知識が必須となる.
1.超音波診断装置の基礎知識
超音波診断装置は,超音波を送受信する「プローブ」,画像を映し出す「モニター」と画質調整を行う「操