【概説】
体表から発せられる輻射熱を,赤外線を検知することで計測し,温度分布を表示する検査法である.皮膚温を定量的かつ非侵襲的に描出することができるため,乳癌の診断法として医療に応用されてきた.現在では空港などで,SARSやインフルエンザといった発熱性疾患患者のスクリーニングにも活用されている.整形外科疾患についても手腕振動症候群をはじめさまざまな疾患で,診断や治療効果判定などに応用する試みがなされてきた.
室温が25℃前後で一定の外的環境下では,皮膚温は自律神経系で調節される皮膚血流量によって決定される.したがってサーモグラフィーは,間接的な自律神経機能検査ともいえる.
【適応】
手腕振動症候群・Raynaud現象・複合性局所疼痛症候群など循環障害を生じうる疾患,関節リウマチなどの炎症性疾患,椎間板ヘルニアや神経根症などの脊椎疾患が適応となる.
実施手順
【1】安静時サーモグラフィー
検査室の