【概説】
椎間板へ少量の造影剤を注入する検査法である(図1-8図).造影剤の注入が腰痛などの症状を再現するか否かによって当該椎間板が症状の原因となっているかを検査するものである.よって現在は画像検査というよりも機能的検査の役割が大きい.造影後に局所麻酔薬を注入し,症状の軽快の有無を確認する椎間板ブロックも行われることがある.ただし,椎間板造影および椎間板ブロックの診断的価値については,いまだ議論の余地がある.MRIが普及する以前は,椎間板造影によって椎間板の形態変化から椎間板変性の程度を判断していたが,MRI画像の質が高くなったことで現在は形態的評価の診断的価値は低い.しかし,MRIが撮像できない症例や外側ヘルニアで描出が困難な症例では本検査が施行されることがある.
椎間板は人体最大の無血管組織であるため,椎間板造影によって感染が引き起こされる可能性があることが問題点として挙げられる.また