手術の麻酔としての硬膜外ブロックは,術中のみならず術後鎮痛コントロールにも用いられるため,硬膜外カテーテルを挿入して行うのが一般的である.
1.硬膜外ブロックの適応
頭頚部以外の手術および術後鎮痛のために用いる.腰部硬膜外ブロックは,疼痛治療目的に1回注入法で行うことも多い.
2.硬膜外ブロックの禁忌
絶対的な禁忌として,出血傾向(抗血小板薬・抗凝固薬使用中を含む),穿刺部の感染,患者の拒否がある場合は行わない.相対的禁忌として,ショックなどの循環不安定,頭蓋内圧亢進(脳ヘルニアの危険姓),脊髄変性疾患などがある.
3.硬膜外ブロックの合併症
【1】重篤な合併症
硬膜外血腫,神経障害,偶発的硬膜穿刺とその後の頭痛,局所麻酔薬中毒などがある.また,長期(5日以上)の硬膜外カテーテル留置ではカテーテル感染(硬膜外膿瘍)のリスクが高まる.
抗血栓療法(抗血小板薬・抗凝固薬の使用中)患者では,硬膜外カテ
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