1.骨移植
【概念】
骨移植は骨欠損を有する疾患の骨補塡手技として古くから認識され,骨形成作用促進と,その結果得られる力学的支持性の獲得を目的に骨を移植する手技である.
【1】骨移植の種類
(1)ドナーによる分類
同一個体内で骨組織を他の部位へ移植する「自家骨移植」(autograft),他人の骨組織を移植する「同種骨移植」(allograft),動物の骨組織を種の異なった動物に移植する「異種骨移植」(xenograft)に分類される.自家骨は骨伝導(osteoconduction)能と高い骨誘導(osteoinduction)能を有しており,骨癒合を得るには最も有利といえる.また,同種骨や異種骨も骨伝導能だけでなく,骨誘導能を有しているが,骨誘導能は自家骨に比べ同種骨,異種骨の順に劣る.また,骨組織は抗原性が弱い組織とされているものの,同種骨や異種骨移植の場合にも移植免疫は起こりうる.しかし移