【概説】
髄内にインプラント(釘)を挿入し骨折部の安定性を得ることで骨癒合をはかる手法である.したがって長管骨(主に大腿骨,脛骨,上腕骨)の骨幹部骨折に多く適用されてきたが,近年インプラントの改良などにより骨幹端部の骨折にも応用され,良好な治療成績が報告されている.また広義の髄内固定法として,鎖骨や橈骨,尺骨,中手骨,中足骨の骨幹部骨折に対する髄内スクリュー・ピンによる固定法もある.
【歴史】
象牙を髄内釘として使用し始めて以来(1800年代),さまざまな工夫・改良が加えられてきた.特にドイツのGerhard Küntscher(1900~1972)によるリーミングや閉鎖性髄内固定の開発により,広く髄内固定法が用いられるようになった.現在では遠位横止めスクリューにロッキング機構を備えたシステムもあり,より強固な初期固定性が得られるようになっている.
【利点・欠点】
髄内釘固定では骨折部を展開せ