【疾患概念】
関節内骨折とは,骨折線が関節包内に及ぶ骨折である.脱臼骨折とは,関節脱臼に伴い,関節包内もしくは関節近傍に骨折が生じたものである.両骨折ともに比較的強い外力により生じ,関節内骨折では軟骨損傷を,脱臼骨折では軟骨損傷に加え靱帯や腱を含む周囲軟部組織損傷や血管神経損傷を伴うこともあり,関節拘縮や不安定性が残存しやすい.治療に際しては早期に解剖学的整復・固定・リハビリテーションを行い,機能障害をできる限り少なくすることが重要である.
問診で聞くべきこと
受傷機転について詳細に聴取し,骨折・脱臼の機序を理解することが治療方針の決定に必須である.それと同時に受傷前の患肢の機能や就労の状況,患者の治療に対する期待を聴くことが機能回復レベルの目標を決めるうえで重要となる.また画像検査や処置の前には皮膚損傷(裂創や水疱)や感覚障害,冷感といった神経血管障害の有無を確認し,症状がある場合にはそれ