【概説】
骨折部の整復位保持をはじめとして,副子・ギプス包帯固定を行う機会は,手術治療の発達した現代においても依然として頻度が高く,整形外科医はその適応と固定方法,合併症などを熟知しておくべきである.不適切な手技固定により関節拘縮を招いたり,コンパートメント症候群などの重篤な合併症に気づかず,患者が不利益を被るような事態を招いてはならない.
【適応】
骨折部の整復位保持・安定化による腫脹軽減と鎮痛のため,また骨折のみならず打撲や靱帯損傷部,術後,手根管症候群などの末梢神経障害時の安静目的に用いることもある.
【外固定材料の種類】
基布として綿布,ガラス繊維,ポリエステル繊維があり,硬化材として石膏,熱可塑性樹脂,水硬化性樹脂,最近では光硬化性樹脂を用いたものがある.近年,整形外科領域では,硬化時間が短く,軽くて通気性のあるガラスやポリエステル繊維を用いた,水硬化性樹脂によるスプリントが主流とな