【疾患概念】
打撲などの軟部組織損傷や骨折により生じる局所性の骨組織減少である.外傷による疼痛や不動(安静,臥床,非荷重)などにより局所の力学的ストレスが減少し,破骨細胞数の増加により骨吸収が亢進し,さらに骨形成が低下して生じる.関節の運動性が低下すると,関節周囲にも骨萎縮がみられる(廃用性骨萎縮).
【病態・分類】
発生病態は不明であるが,外傷により損傷された組織から発生した疼痛刺激が,感覚神経を通じて大脳へと伝わり,交感神経が刺激され外傷部位の血管の収縮や腫脹・浮腫を誘起する.これらの変化で疼痛が増悪し,さらに交感神経が刺激されるという悪循環に陥り骨萎縮が進行してゆく.また骨萎縮に強い疼痛,血管運動障害,皮膚障害などの自律神経症状を伴う病態を複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome;CRPS)とよび,末梢神経損傷のないものはCRPS type 1