1．スポーツとは

　スポーツとは，運動のなかでも「ルールに則り運動をする」ことであり，一般に選手は競技技術の向上を目指している．スポーツ選手は，子供から高齢者，健常者から障がい者，アマチュアからプロフェッショナル，初心者からトップアスリート，健康スポーツから競技スポーツまでさまざまである．またスポーツの目的は，生活の充実(生きがい)や健康維持・増進であったり，身体・精神的能力や技術を高め，人間の極限へ挑戦し，記録の向上を目指すなどさまざまである．その際，生理的状態を超え日常生活とかけ離れたトレーニングを実施することもあり，内科的疾患や整形外科的疾患などさまざまな疾患を発症する可能性がある．

2．スポーツ医学・スポーツ整形外科とは

　以前は，スポーツに伴うそれぞれの疾患に関係する医師が，個々に治療を中心に行っていた．しかし，スポーツに伴う健康管理や競技力向上のための最適なトレーニング法，スポーツ外傷や障害の予防・治療などの実施，メタボリックシンドロームやロコモティブシンドロームを合併しながら運動やスポーツをする愛好家や，障がい者スポーツの普及に伴い，より集学的にアプローチする必要性が高まり，「スポーツ医学」という学問が誕生し発展をとげている．また，スポーツ実践にあたっては，特に運動器の外傷や障害の予防・治療・早期復帰などが選手や関係者にとって重要であり，そのマネジメントを行うのが「スポーツ整形外科」である．そのためには，Scammonの発育・発達曲線，一般人とスポーツ選手との身体特性の差異，競技種目特性やアスレチックリハビリテーションを含む保存療法から手術療法まで，網羅的な知識や技術の習得が必要である．

3．スポーツドクターとは

　スポーツを主な原因とする外傷・障害や疾病の診断・治療にあたる専門医が，「スポーツドクター」である．スポーツドクターには，「日本医師会認定健康スポーツ医」，「