診療支援
治療

スポーツによる足部・足関節の外傷・障害
Sports injuries of foot and ankle
熊井 司
(早稲田大学スポーツ科学学術院 教授)

【疾患概念】

 ヒトの「足」は特殊である.30cmにも満たない「足」は,不安定な上体を支えつつ,全体重を受けて運動するという大きな役割を担っている.当然のことながらスポーツにおいても,ランニング,ジャンプ,着地,切り返し動作などさまざまな運動を行う際に,「足」には床(地面)を相手に強大な力学的負荷がかかっている.そのため「足」には多種多様な外傷・障害が発生し,それらはスポーツにおけるパフォーマンスを著しく低下させる.スポーツによる足部・足関節の外傷・障害は,頻度も高く多岐にわたるため,診断や治療に難渋することも少なくない.ほとんどの運動パフォーマンスに影響を与えるため,満足いくスポーツ復帰にはしっかりと診断し治療することが要求される.


1.診断の進め方のポイント

 問診と診察を行った段階で,ある程度の疾患・病態を予測したうえで補助診断としての画像検査を選択的に行う.的確な画像検査を依頼するために

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