【疾患概念】
骨髄炎は,細菌をはじめ抗酸菌,真菌などの病原体が骨に感染して起こる骨の炎症および,それに伴う骨の破壊性変化である.化膿性骨髄炎とは,細菌が骨に感染して起こる化膿性炎症のことであり,このうち急性発症するものを急性化膿性骨髄炎という.感染,炎症は骨髄を中心とし,骨皮質や骨膜にも生じる.
【頻度】
抗菌薬の発達や外傷初期治療の発展によって,発症頻度は減少してきたと考えられる.しかし近年において,高齢者や内科的併存症をもつ易感染性宿主の増加により,発症は増加傾向となる可能性がある.
【臨床症状】
末梢骨の急性化膿性骨髄炎の患者は通常,限局性の熱感,腫脹,発赤,疼痛という局所症状に加え,発熱,全身倦怠感,易疲労感,進行すれば体重減少といった全身症状を伴うことが多い.慢性化膿性骨髄炎との主な違いは,このような全身症状を伴うか,また,局所症状の強弱である.慢性化膿性骨髄炎であれば局所炎症所見,