診療支援
治療

人工関節周囲の感染
Periprosthetic joint infection
稲葉 裕
(横浜市立大学大学院 教授)

【疾患概念】

 人工関節周囲感染(periprosthetic joint infection;PJI)は人工関節手術後に生じた感染であり,術後早期に発症するものから術後長期間を経過して血行性に生じるものまでを含む.

【病態】

 感染経路として,①手術時における患者の皮膚常在菌や手術室の落下細菌の侵入,②術後の表層感染からの波及,③他部位の感染病巣からの血行性感染,がある.

 PJIではインプラント表面に付着した細菌がバイオフィルムを形成し,成熟したバイオフィルムから再び浮遊菌が放出されて,菌体を拡散する.バイオフィルム感染症は抗菌薬抵抗性を示し,生体の防御機構から逃れやすくなる.また,バイオフィルム内では細菌間の遺伝子水平伝播によって薬剤耐性化をもたらすことが知られており,しばしば難治性となる.


問診で聞くべきこと

 基礎疾患の有無,内服薬,薬剤アレルギー,人工関節手術の内容を確認する.糖尿病,関節

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