【概要】
整形外科外来で単純X線はルーチンで撮影されるが,骨折や変形性関節症など頻度の高い疾患に目が行きがちである.写真を見る際に,骨の輪郭をまずは一周するように目を通し,皮質の破綻や,透亮像,硬化像など異常陰影がないか隅から隅まで観察することを心がけたい.骨肉腫に代表される悪性腫瘍の患者は,はじめから専門施設を受診することはめったになく,一般整形外科医の診察を受けるため,見逃されることもある.腫瘍性病変などを疑った場合は,MRIの撮影や専門機関への紹介を躊躇しないことも大事である.軟部腫瘍では,ガングリオン,アテローマなどの頻度が高く,検査せず摘出しがちであるが,少しでも所見に違和感があるなら,まずMRI検査を行うことを勧める.
骨・軟部腫瘍専門施設では,造影MRI,核医学検査などで診断の絞り込みを行う.また,化学療法の効果判定,術前計画,再発の確認などのためにも画像検査は適宜行われる.