【概説】
骨・軟部腫瘍において臨床所見や画像所見で悪性腫瘍を疑う際には,生検を行うことにより病理組織学的診断および組織学的悪性度の評価を行う.正確な病理診断を得るためには正しい生検を行わなければならない.不適切な生検により,治療プランが何らかの影響を受けたり,患肢温存が不可能となる場合があるので,生検は正しい手法で,計画的に行われなければならない.
【適応】
骨・軟部腫瘍,骨髄炎,画像では診断できない骨病変,隆起性病変など.
1.生検術の種類
【1】針生検術
軟部肉腫に対する針生検は外来で容易に行うことができる.深部に発生した軟部腫瘍では,正確にサンプル採取するために,超音波エコーを併用することが望ましい.骨腫瘍であっても,溶骨性病変であればX線透視下あるいはCTガイド下に針生検が可能である.針生検のサンプルは小さいため,病理診断に難渋することがあるのが欠点である.
【2】骨生検針による生検術
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