【概要】
悪性骨腫瘍切除後の再建方法として,大きく腫瘍用人工関節による再建と,生物学的再建の2つの方法がある.人工関節による再建術は,術後経過は安定しており早期から荷重リハビリテーションなどが可能な反面,近年の抗がん剤治療の進歩により,骨肉腫などは長期生存する患者が増えたため,長期的に再置換術や感染が危惧される.また,運動負荷も日常生活程度にとどまる.骨移植,仮骨延長などを応用した生物学的再建では,骨再生に時間がかかることがあるが,いったん再生が完成すれば,正常骨と同様,追加手術が必要になることはなく,運動などの負荷にも耐えられるという利点がある.
生物学的再建法
わが国で広く行われている生物学的再建法には,①同種骨を用いた再建,②自家移植骨を用いた再建,③創外固定器などを用いた骨延長術による再建,④自家腫瘍処理骨を用いた再建などがある(表5-4図).
【1】同種骨による再建
同種骨は骨バンク