【定義・概念】
骨肉腫は,原発性悪性骨腫瘍のなかで最も発生頻度が高い腫瘍である.組織学的には,腫瘍細胞自体が骨や類骨をつくるのが特徴である.わが国における骨肉腫の発生頻度は,100万人に対して1~2人の発生率といわれており,希少がんに相当する.若年者に好発し,10歳代に発症のピークがある.特徴的な遺伝子変異はいまだ同定されていない.活動性が高い若年層で好発することから,外傷やスポーツによる局所の疼痛や腫脹として,近医を受診し発見されることも多い.また受診が遅れ,進行してから受診する場合も少なくない.
通常型骨肉腫は,高悪性度の腫瘍であり,多くの場合,発見時にはすでに潜在的な微小転移があるといわれている.化学療法の導入以前には,その生存率は10%程度であったが,1970年代以降の化学療法を含む集学的治療法の進歩により,その治療成績は飛躍的に向上している.今日骨肉腫に対しては,術前および術後の