【概説】
関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)は全身の関節に生じる炎症により関節破壊を起こす疾患で,経過によって関節拘縮や軟骨,骨破壊をきたす.関節破壊の程度によって日常生活動作,社会生活が脅かされる.
昨今のRAの治療法の進歩,1999年のメトトレキサート薬,2003年の生物学的製剤(bDMARDs)の使用開始により,局所の炎症が抑えられ,RA患者の関節破壊の進行が食い止められてきている.早期のtight controlがRA治療の目標となり,これによって関節破壊を免れ,ほぼ問題なく生活できる患者も増えた.早期RAでは関節可動域訓練,筋力,持久力増強などの運動療法,除痛のための物理療法,患者教育の重要性が強調される.しかしさまざまな理由で関節破壊が進行してしまう患者も皆無ではない.進行例では関節破壊による変形があっても,除痛により過度の運動,使用を行ってしまう場