IgG4関連疾患は,血清IgG4値の上昇とIgG4陽性形質細胞のびまん性浸潤と線維化からなる腫瘤性・結節性・肥厚性病変を呈する慢性疾患である.涙腺・唾液腺,膵臓を二大好発臓器とし,胆管,腎臓,後腹膜・大動脈周囲,肺に病変が出現することが多い.20世紀までは涙腺・唾液腺病変はMikulicz病,膵病変は自己免疫性膵炎と呼称されていたが,IgG4をキーワードに共通の特徴を有する病変が形成されることがわが国からの報告で明らかになり,独立した疾患概念として確立した.
病因は不明であるが高IgG4血症,高ガンマグロブリン血症や低補体血症の存在,迅速なステロイドへの反応性から,基盤に免疫異常の存在が想定される非腫瘍性・非感染性疾患である.IgG4の病因的意義は定まっていないが,自己抗体として抗ラミニン511抗体や抗ガレクチン3抗体が報告され,自己免疫機序が注目されている.大規模な疫学研究は行われてお
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