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骨系統疾患国際命名・分類2015
Nosology and classification of genetic skeletal disorders: 2015 revision
小﨑 慶介
(心身障害児総合医療療育センター 所長〔東京都板橋区〕)

 骨系統疾患には非常に多くの疾患が含まれ,多様な表現型,病態を呈する.これら多くの疾患を整理して理解を深める目的で,1969年に世界中の専門家が集って分類や命名法に関する論議が行われ,その内容が公表された.以後,次々に新しい疾患が発見され,原因遺伝子などの病態が解明されるに従って,数年ごとに改訂が加えられてきた.2015年版の国際分類(Bonafe L, et al: Nosology and classification of genetic skeletal disorders: 2015 revision. Am J Med Genet A 167: 2869-2892, 2015)は,日本整形外科学会を中心に日本小児科学会,日本産科婦人科学会,日本小児放射線学会の協力を得て和訳作業が行われた(小﨑慶介,他:2015年版骨系統疾患国際分類の和訳.日整会誌 91:462-505,2017).

 2015年版国際分類は,以下の①~④の条件を満たす疾患を収載している.

 ①以下に相当する重度の骨格系病変

・骨系統疾患

・代謝性骨疾患

・異骨症

・骨格系の異常を示すmalformation(形成不全)/reduction(縮小奇形)症候群

 ②論文になっているか,またはOMIMに収載されている.

 ③家系例で遺伝的基盤が証明されているか,異なる家系における表現型の同質性から遺伝的基盤の可能性が高い.

 ④実験的解析により,疾患分類学上の独立性が確認されている.

 なお,1家系の報告であっても原因遺伝子が同定された疾患は分類に含められている.

 その結果2015年版国際分類には42グループ436疾患が収められており,2010年版の40グループ456疾患と比較して,グループ数の増加と総疾患数の減少が生じている.これは,表現型からは区別のつかない疾患群を単一グループに集約したことによる.

 2010年分類

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