1.遺伝学的検査と遺伝カウンセリング
骨系統疾患および代謝性骨疾患の多くは遺伝性疾患に分類される.これまで,その多くは臨床症状(易骨折性,低身長,側弯など)と画像診断(全身骨単純X線,CT,MRI像など)の組み合わせから診断を行ってきたが,責任遺伝子が同定されるにつれて,確実かつ侵襲性が低い遺伝子診断が普及するようになった.この遺伝子診断のうち,特に遺伝性疾患の診断のために必要な検査を遺伝学的検査とよび,生涯変化しない,その個体が生来的に保有する遺伝学的情報を明らかにする検査と定義づけられる.つまり,体細胞変異に由来するがんの遺伝子解析とは異なる,生殖細胞系列の遺伝情報を解析対象とする検査である.現在,保険収載された遺伝学的検査は,骨系統疾患の場合は非常に限られている.しかし,研究レベルも含めると,遺伝学的検査が可能な骨系統疾患・代謝性骨疾患はきわめて多い.遺伝子診断からわかる遺伝情報は,
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