1.はじめに
妊娠中の胎児に超音波検査で骨格異常がみつかると,先天性骨系統疾患がまず疑われるが,Down症候群などの染色体異常や,単なる胎児発育不全,正常児のバリエーションの範囲ということもある.疾患を有していても胎児の重症度・予後は多様であり,致死性の重症型から,出生後の特別な管理を必要としない軽症型までさまざまである.どのように疾患を絞り込むかについては,画像診断と遺伝子検査が重要である.
2.出生前診断の手法
妊娠中の胎児超音波検査の精度・技術の向上と,通常の妊婦健診で超音波検査の計測項目に大腿骨長の計測が含まれることから,胎児の骨格異常,特に大腿骨の短縮を伴う病態は,早期に異常が疑われるようになった.しかし,超音波検査は画像描出の技術的な手腕が必要で,また診断の確定は相当に困難なため,より正確な診断のために,近年は胎児三次元ヘリカルCT検査が施行されるようになった.CTについては設備