診療支援
治療

軟骨無形成症
Achondroplasia
松下 雅樹
(名古屋大学大学院 講師)

【疾患概念】

 軟骨無形成症(achondroplasia)は四肢骨の長径成長が障害され低身長(成人身長は120~130cm)を特徴とする最も頻度の高い(20,000出生に約1人)骨系統疾患で,骨伸長を抑制する線維芽細胞増殖因子受容体3(fibroblast growth factor receptor 3;FGFR3)の恒常的活性化変異により発症する.軟骨無形成症の95%にG380R点変異を認め,常染色体優性遺伝であるが,家族例は少なく孤発例が多い.

【病態】

 成長軟骨板における軟骨細胞は増殖および骨へ分化(軟骨内骨化)することで,長管骨は長軸方向に伸長する.FGFR3は主に成長軟骨板の軟骨細胞に発現し,軟骨無形成症ではFGFR3が過剰に活性化されているため軟骨細胞の増殖・分化が抑制され,軟骨内骨化が障害されることにより骨伸長が抑制される.一方,膜性骨化は障害されないため,長管骨は短いが太さ

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