【疾患概念】
骨端核やその周囲軟部組織の点状石灰化像を伴う疾患群を包括した総称のため,症例の異質性が大きい.
【頻度】
文献的には分娩1万に対し0.09.わが国では不明.
【病型・分類】
2015年の骨系統疾患の国際分類では,X染色体優性Conradi-Hünermann型点状軟骨異形成症(CDPX2),X連鎖性劣性末節骨短縮型点状軟骨異形成症(CDPX1),CHILD症候群(先天性片側異形成,魚鱗癬,四肢欠損),Keutel症候群,Greenberg骨異形成症,近位肢型点状軟骨異形成症(RCDP),脛骨・中手骨型点状軟骨異形成症,Astley-Kendall骨異形成症を点状軟骨異形成症グループと定義し,CDPX1と同様の末節骨短縮型の点状軟骨石灰化を呈する症候群もある.個々の基礎疾患により種々の大きく異なった病態を呈する.ペルオキシソーム病は先天性代謝異常症であるが,同様の画像所見を呈するため,包括されている.
【臨床症状・病態】
鼻骨低形成による鼻根部の平坦と短い鼻,眼瞼斜上,および,低身長はすべての型で共通する.疾患ごとに多様な症状があり,魚鱗癬様皮膚病変,部分脱毛,白内障,四肢非対称,感音性難聴,爪低形成,末節骨低形成,関節変形や関節拘縮,脊椎変形,脊柱管狭窄,環軸椎不安定,呼吸障害,出血傾向,精神発達遅滞,先天性心疾患,先天性腎異常などがみられる.
必要な検査とその所見
遺伝子検査にて,CDPX2,CDPX1,RCDPなどの確認をする.研究室レベルであればコレステロール合成障害やペルオキシソーム酵素欠損の確認など.ビタミンK代謝異常が疑われる場合は凝固系検査を行う.
鑑別診断で想起すべき疾患
ワルファリン胎芽症,ビタミンK欠乏症,SLE胎芽症,21トリソミーなどの染色体異常症,アルコール胎芽病,抗痙攣薬胎芽病なども症候性の点状軟骨石灰化を呈することがある.年長児以降は多発性