診療支援
治療

内軟骨腫症,Ollier病
Enchondromatosis, Ollier disease
滝川 一晴
(静岡県立こども病院 医長〔静岡市葵区〕)

【疾患概念】

 四肢長管骨や短管骨の骨幹端部を中心に内軟骨腫(組織学的には骨軟骨腫)が多発する骨系統疾患である.遺伝性はなく散発性である.Ollier病は片側性に多発する内軟骨腫症に対して使用されている用語で,内軟骨腫症と異なる特別な疾患概念ではない.

【頻度】

 はっきりしていない.

【臨床症状または病態】

 手や足の腫脹,罹患下肢の変形・短縮を生じる.骨脆弱性に起因する病的骨折を生じることもある.内軟骨腫症に多発性血管腫を伴う状態をMaffucci症候群という(図7-36).


問診で聞くべきこと

 手足の腫脹部位,下肢変形の有無について確認する.また,血管腫の有無についても聴取する.


必要な検査とその所見

 単純X線では,管状骨骨幹端部に皮質骨の菲薄化や時に膨隆を伴う線状や円錐状,楕円状の骨透亮像が多発する.下肢の変形・短縮を生じることもある.上記のように,病変が片側に偏っていることもある.


鑑別で想起

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?