【疾患概念】
脳性麻痺は「受胎から新生児期(生後4週間以内)までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく,永続的なしかし変化しうる運動および姿勢の異常である.その症状は満2歳までに発現する.進行性疾患や一過性運動障害または将来正常化するであろうと思われる運動発達遅延は除外する」と1968年に厚生省脳性麻痺研究班で定義されており,現在でもわが国では最も汎用されている.その発生頻度は諸外国の報告では1,000出生あたり2前後(軽症例を含む),わが国でも公益財団法人日本医療機能評価機構の「脳性麻痺児の実態把握に関する疫学調査プロジェクトチーム」による2009~2013年の鳥取,徳島,栃木3県での総出生数と脳性麻痺数の調査で1,000出生あたり1.7と報告されている.在胎週数が短く出生体重が小さいほど脳性麻痺の発生率は高く,リスク因子は新生児仮死,脳室周囲白質軟化症,低酸素性虚血性脳症が代表的なもので