診療支援
治療

脳性麻痺の手術療法
Operative treatment of cerebral palsy
中村 純人
(東京都立北療育医療センター 科長,訓練科長〔東京都北区〕)

【概念】

 脳性麻痺に対する整形外科手術は,幼小児期に行われることが多い筋解離術や骨切り術,成人期以降に行われることが多い頚髄症や変形性股関節症などの二次障害に対する手術が代表的なものであるが,近年,小児期から脊柱側弯に対する固定術なども行われ,成果が発表されるようになっている.本項では,脳性麻痺の麻痺型で最も多く,手術対象としても多い痙縮型を中心に述べる.痙縮に対する治療を全身的,局所的,可逆的,不可逆的の2軸4象限に分けると,整形外科手術は局所的(一部全身的)で不可逆的な治療に分類される(図8-3).


診断のポイント

 関節可動域,単純X線所見など整形外科医が脳性麻痺児者の診療で日常的に評価している項目に加え,年齢,麻痺型と麻痺領域,粗大運動能力,知的障害やてんかん,胃食道逆流,摂食嚥下障害などの合併症,疼痛,介助の困難さなど,障害およびその周辺の全体をみることと,将来獲得しうる能力や二次

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