1.運動器疾患と健康寿命
運動器とは,骨・関節・筋肉・神経などの体を支持したり動かしたりする組織・器官の総称である.運動器疾患とは,運動器の疾患,例えば,骨折,変形性関節症,腰痛,肩こり,骨粗鬆症,スポーツ障害といった疾患を意味する.健康寿命とは,健康上の問題で日常生活が制限されずに暮らせる期間である.2016年における健康寿命は,男性72.14歳,女性74.79歳であった.平均寿命が男性80.98歳,女性87.14歳ということを考えると,男性で8.84年間,女性で12.35年間が,要介護・要支援状態であったといえる.2019年の平均寿命は,男性81.41歳,女性87.45歳とより延長している.2020年版の高齢社会白書によると,介護が必要になった原因は,認知症が18.7%と最も多く,次いで脳血管疾患15.1%とあるが,運動器疾患である骨折・転倒12.5%および関節疾患10.2%を合わせる
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