1.関節可動域テスト
【概要】
関節可動域テストは,各関節が運動を行う際の生理的な運動範囲を計測する検査法で,各運動において関節可動域の制限があるかを調べることで関節機能を評価する.各関節のそれぞれの運動について健常人の可動域として参考可動域が定められており,関節機能に障害がある場合,関節可動域テストにて可動域制限の程度を判定する.自動あるいは他動による関節運動を計測するが,原則は他動運動での可動域を計測する.関節には球関節,鞍関節,蝶番関節などさまざまな種類があり,関節の動きの自由度は関節ごとに異なり,肩関節のように三次元的な運動が可能な関節がある一方で,膝関節など屈曲と伸展のみ可能な関節がある.関節可動域に制限がある場合,関節拘縮(joint contracture)と関節強直(ankylosis)があり,前者は関節包外(関節外の靱帯,筋腱,皮膚・皮下組織など)に起因し,可動域は低下する