【概要】
足部変形の予防や矯正位保持,適切な圧力分散(除圧)による病的組織(潰瘍や鶏眼・胼胝など)の保護・治癒促進,足部のロッカー機能の代償など,足部に原因がある下肢障害の治療目的に作製される靴を靴型装具という.
1.靴型装具の種類と構造
患足用と健足用があり右左一側が1単位,腰革の高さにより短靴(果部より低い),チャッカ靴(果部まで),半長靴(果部を覆う),長靴(下腿2/3まで掛かる)に区分される.整形靴は標準木型に皮革,フェルトなどを張って補正して作られた靴,特殊靴は形態や病態に応じて特別に木型を起こして作られた靴である.
靴は本底(アウトソール:地面に接する外側部分),中底(インソール:足底に接する内側部分),甲革(アッパー:足甲を覆う足底以外の部分)から構成されるが,踵を収める腰革(クォーター)と月型芯(カウンター)は踵を正中位に保持するための重要な構造である.
靴型装具は足部に合う