診療支援
治療

義手の処方と装着訓練
Prosthetic prescription and training for upper-limb amputees
田中 清和
(日本赤十字社医療センター 副部長(リハビリテーション科)〔東京都渋谷区〕)

 上肢切断者に対する義手の役割は,外観とごく一部の上肢・手指機能の代償であったが,近年手先具としての筋電義手の開発が進み,多機能の動作が可能となったものが実用化されている.処方する医師は義手についての専門的な知識を有する必要がある.義手の処方と装着訓練について,成人と小児に分けて治療指針を述べる.


1.義手の種類

【1】装飾用義手

 機能よりも外観を重視した義手.手指関節可動性のあるパッシブハンドを用いれば,指の形を自由に変えることができる.

【2】能動義手

 対側上肢帯・体幹の動きでケーブルを介して継手(関節)や手先具を操作する構造の義手.

【3】筋電義手(図10-7)

 筋電位を用いて電動ハンドを操作することができる義手.近年,手指の複雑な動きを再現できる機能を有した電動ハンドが開発・実用化されている.欧米先進国と比べると,日本では公的支給制度の違いもあり普及率は低い.

【4】作業用義手

 機能を重視

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