診療支援
治療

義足の処方と装着訓練
Prosthetic prescription and training for lower-limb amputees
田中 洋平
(JR東京総合病院 主任医長(リハビリテーション科)〔東京都渋谷区〕)

【概要】

 下肢切断の原因は,血管原性(閉塞性動脈硬化症などの血管障害によるもの,糖尿病を含む),外傷,悪性腫瘍に分けられる.昨今では血管原性によるものが最も多い.高齢者の割合も増えており,過去と比較すると低活動な下肢切断者が増加している.


1.義足の適応

 義足の適応は幅広い.屋外を元気に歩きたい人から,車椅子とベッド・トイレ間の移乗のときだけ義足を活用したい人まで適応になる.歩けるかどうかだけでなく,義足が生活の役に立つかどうかで考える.一方,切断術後の創部癒合不全,リハビリテーションへの意欲低下,全身状態不安定,重度の認知症や高次脳機能障害,全盲などの場合は義足の適応にならない.

 下腿切断,大腿切断だけでなく,股関節離断や片側骨盤離断も義足の適応となる.大腿義足や股義足は義足の製作技術やリハビリテーションそのものも高度になるため,これらの症例を多く経験している施設でリハビリテーションを行っ

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?