【概要】
下肢切断の原因は,血管原性(閉塞性動脈硬化症などの血管障害によるもの,糖尿病を含む),外傷,悪性腫瘍に分けられる.昨今では血管原性によるものが最も多い.高齢者の割合も増えており,過去と比較すると低活動な下肢切断者が増加している.
1.義足の適応
義足の適応は幅広い.屋外を元気に歩きたい人から,車椅子とベッド・トイレ間の移乗のときだけ義足を活用したい人まで適応になる.歩けるかどうかだけでなく,義足が生活の役に立つかどうかで考える.一方,切断術後の創部癒合不全,リハビリテーションへの意欲低下,全身状態不安定,重度の認知症や高次脳機能障害,全盲などの場合は義足の適応にならない.
下腿切断,大腿切断だけでなく,股関節離断や片側骨盤離断も義足の適応となる.大腿義足や股義足は義足の製作技術やリハビリテーションそのものも高度になるため,これらの症例を多く経験している施設でリハビリテーションを行っ