1.車椅子(図10-9図)
車椅子は駆動方法によって,手動(自走式と手押し型)と電動に分けられる.それぞれに,バックサポート(背もたれ)のみの傾きを変えるリクライニング機能,シートとバックサポートの角度を変えずに一緒に傾きを変えるティルト機能,およびこの両者を併せ持つリクライニング・ティルト機能をもつタイプもある.
手動車椅子は,全体の枠組みとしてのフレームに,シート(座面),バックサポート,アームサポート,フット・レッグサポートが基本構造で,これに大径の駆動輪(主輪)と方向転換用のキャスターが付いている.自走式では駆動輪にハンドリム,ブレーキが取り付けられている.手動で駆動しない場合は主輪は小さくし,手押しハンドル部にブレーキが付いている.駆動輪のタイヤは,チューブ(空気)入りが一般的であるが,ノーパンクタイヤが用いられることもある.近年のノーパンクタイヤは,チューブ入りに比べてやや重い