診療支援
治療

在宅生活支援の社会資源
Social resources for home care
坂野 元彦
(和歌山県立医科大学 講師(リハビリテーション医学))

 「生活期」は,傷病などの発症や増悪を契機とする「急性期」,機能回復や日常生活の自立を目指す「回復期」の次の段階ととらえられることが多い.しかし,生活期で医療を必要とするのは,複数の疾患を合併している高齢者,疾病には罹患していないがロコモティブシンドロームなどの介護予防活動の対象となる高齢者,生来の障害を持つ小児,神経難病などの進行性疾患の患者,終末期の患者などさまざまである.生活期の患者の多くは在宅で生活しており,患者の尊厳の保持と自立生活の支援を目的とし,可能な限り住み慣れた地域で,自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるように,社会的支援の重要性が高まっている.地域の包括的な支援・サービス提供体制として,「地域包括ケアシステム」の構築が地方自治体を中心に進められている.疾病を抱えても,自宅などの住み慣れた生活の場で療養し,自分らしい生活を続けられるためには,地域における医療

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