治療方針
腱板断裂には症候性(痛みや可動域制限)と無症候性が存在し,症候性の患者が治療の対象となる.保存療法によって効果がみられない症例が手術適応となるが,若年者(50歳以下)の腱板断裂では断裂の進行を考慮し,軽微な症状であっても積極的に手術治療が勧められる.また保存治療に効果を示さない安静時痛や夜間痛が強い症例では,早期に手術治療を選択する場合もある.腱板断裂が放置された場合,断裂サイズは大きくなり,腱板断裂後変形性関節症へと進行する.
【1】保存療法
疼痛に対して非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェン薬薬の内服・外用薬投与や,肩峰下滑液包もしくは肩関節腔内への副腎皮質ホルモン,ヒアルロン酸の注射を行う.また神経障害性疼痛の関与が疑われた場合には,神経障害性疼痛治療薬を使用する.さらに肩甲帯部および腱板筋群の運動療法を行う.
約3~5か月の保存療法を行うことで多くの症例
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