【疾患概念】
上方関節唇損傷は,Andrewsらが投球競技者の関節鏡所見として初めて報告したが,後にSnyderが外傷による上方関節唇損傷をSLAP損傷(superior labrum anterior superior lesion)と命名して以来,その名称としてSLAP損傷を使用するのが一般的になっている.上方関節唇のみの障害の場合と,上腕二頭筋長頭腱(long head of biceps;LHB)との複合体(BLC)の障害,さらには前上方部関節唇に付着する上関節上腕靱帯(superior glenohumeral ligament;SGHL)や中関節上腕靱帯(middle glenohumeral ligament;MGHL)の機能障害の場合がある.
発生機序としては,外傷性とオーバーユースにより生じるものに大別される.外傷性としては肩関節外転位で転倒して手を着く際の突き上げ,重量