【疾患概念】
関節リウマチ(RA)は,滑膜炎による全身性の多発関節炎を主とする自己免疫疾患である.炎症が関節滑膜に生じて増殖を起こし,免疫細胞が活性化され,炎症性サイトカインが産生・放出される.血管増生やフィブリノイド変性によって増殖滑膜から肉芽組織・パンヌスが形成され,骨・軟骨の破壊,関節変形や強直をきたす.破骨細胞も活性化されることで骨破壊もより進行する.RAは関節だけでなく,皮膚や眼,血管などの関節外症状,微熱や貧血などの全身症状も引き起こす.肩関節は手指・手関節に次ぎ,膝関節と並ぶ好発部位である.
【臨床症状】
疼痛(安静時,動作時,起床時・夜間など),可動域制限,筋力低下,腫脹・熱感などが認められる.強直例では疼痛を認めず,可動域制限のみが愁訴となる.問診では疼痛の程度,可動域制限や筋力低下に伴う日常生活動作における障害,他の関節症状を聴取する.
診断のポイント
RA肩では,軟骨破壊