診療支援
治療

上腕骨内側顆骨折
Fracture of the medial humeral condyle
山崎 哲也
(横浜南共済病院スポーツ整形外科 部長〔横浜市金沢区〕)

【疾患概念】

 上腕骨内側顆骨折は,上腕骨の滑車の一部あるいは全部と内側上顆全体および内側顆骨幹端(metaphysis)を含む骨折であり,小児で比較的頻度の高い上腕骨内側上顆骨折と異なり,すべての年齢できわめてまれな骨折である.小児の場合,Salter-Harris Ⅳ型の骨端線離開に相当し,上腕骨滑車核の出現時期(女性で7~11歳,男性で8~13歳)より前に本骨折が生じると,診断は困難なことが多い.

【病態】

 Milchは,骨折線の走行によりtypeⅠ(simple fracture)とtypeⅡ(fracture dislocation)とに分類している.TypeⅠは,滑車中央溝(central groove of the trochlea)から内側骨幹端へ向かい,typeⅡは,上腕骨小頭滑車溝(capitulo-trochlear sulcus)から滑車の大部分あるいは全体を含み内側骨

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