【疾患概念】
肘関節外側に疼痛を訴える疾患で,テニス肘ともよばれる.上腕骨外側上顆に起始する前腕伸筋群,なかでも短橈側手根伸筋の腱付着部症(enthesopathy)である.腱付着部の変性,腱線維の断裂,線維芽細胞や毛細血管の増生などが認められる.難治例では滑膜ひだ,関節軟骨変性,輪状靱帯の損傷などの腕橈関節内病変がみられる.長期の慢性疼痛例では中枢感作が関与する.
【臨床症状】
30歳代後半~50歳代に好発し,男女差はない.テニス,バドミントンなどのラケットスポーツでの発症頻度が高い傾向にある.肘関節外側に疼痛を訴え,強い握り動作,タオルを絞る動作で疼痛が誘発される.
問診で聞くべきこと
疼痛部位,疼痛が誘発される動作,肢位を問診する.発症時期,罹病期間,疼痛の推移,安静時痛の有無など疼痛の性状も確認する.弾発現象は滑膜ひだの存在を疑う.
必要な検査とその所見
(1)誘発テスト
①wrist ex