【疾患概念】
橈骨遠位端骨折で,遠位骨片が背側に転位する骨折である.交通外傷.スポーツなどで受傷する場合もあるが,大部分は骨粗鬆症を基盤とした骨脆弱性骨折である.近年,粉砕関節内骨折が増加傾向にある.
【頻度】
橈骨遠位端骨折の大部分を占める骨折.
【分類】
橈骨遠位端骨折のユニバーサルな分類法であるAO分類では,関節外骨折はAに,関節内骨折ではCに相当する.
診断のポイント
単純X線側面像で遠位骨片が背側に転位している.ただし,関節内骨折では骨片の粉砕,転位の状態の評価が必要で,CT像での3DとMPR像を確認する.特に,頻度的には少ないが骨折部が関節近傍に生じる遠位縁部骨折に対する治療法選択には必須である.
専門病院へのコンサルテーション
不安定型Colles骨折は手術適応であり,専門施設へのコンサルトが推奨される.特に,遠位骨片掌側の長軸長が7mm未満の遠位縁部骨折では手術的治療も難易度が高く