【疾患概念】
Smith骨折は橈骨遠位端骨折のうち,遠位骨片が掌側に転位した定型的骨折の1つである.
【頻度】
最も多い骨折はColles骨折で,Smith骨折は比較的低頻度である.
診断のポイント
手関節の正・側面単純X線検査は必須である.側面像にて遠位骨片の掌屈転位を確認する.骨端線閉鎖前の小児は軟骨成分により骨折判断困難なことが多く,高齢者では2mmほどの尺骨plus varianceを認めることが多いので,健側X線を撮影し比較すると,診断の手助けおよび整復位の指標となる.また,関節内骨折を疑うときにはCTを追加することが大切で,関節内骨片の存在,転位の程度などが詳細に判断できる.
専門病院へのコンサルテーション
Smith骨折は大半が手術適応であるので,専門病院へのコンサルテーションが推奨される.
治療方針
転位のある骨折は徒手整復を試みる.徒手整復ギプス固定後にulnar varianc