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治療

手関節痛のとらえ方/診断手順
Apprehension of wrist pain / Criteria of diagnosis
坪川 直人
(新潟手の外科研究所病院 院長〔新潟県聖籠町〕)

 手関節痛は部位(橈側,中央,尺側)と外傷性か非外傷性かに区別される(図15-2).


1.橈側部手関節痛

【1】外傷性

(1)橈骨遠位端骨折

 腫脹疼痛著明,手関節変形を伴う.X線,CTで骨折状態を確認し保存治療か,手術治療かを選択する.

(2)舟状骨骨折

 嗅ぎタバコ窩(snuff box)に強い圧痛腫脹を認める.

 診断はX線,CTで,安定型骨折か不安定型骨折かを診断する.

(3)舟状骨偽関節

 長期間経過しており,明らかな外傷を覚えていない場合がある.通常は骨折の見逃し例や,骨接合が上手くいかなかった場合に偽関節となる.Snuff boxの圧痛に加え,可動域制限,最大伸展屈曲で疼痛が誘発される.診断はX線,CTにて偽関節部のhump-back変形,DISI(dorsal intercalated segment deformity)変形を確認する.またMRIにより偽関節部の血流状態の確認が必要である.T1強調像で低輝度の場合は,血流障害が示唆される.MRI所見にて手術術式を決定する必要がある.舟状骨偽関節による変形性手関節症はSNAC(scaphoid nonunion advanced collapse)wristと呼ばれ,橈骨茎状突起部に骨性隆起があり,著明な可動域制限を認める.

(4)舟状月状骨靱帯損傷

 手関節強制伸展下での自動回内時の疼痛がある.舟状骨結節部を母指で圧迫し,手関節を尺屈から撓屈させるscaphoid shift testで疼痛,clickを訴える.正面X線写真で舟状骨と月状骨間が3mm以上開いている場合,舟状月状骨解離は明らかであるが,間隙がない場合は手関節鏡で確認する必要がある.SLAC(scapholunate advanced collapse)wristに進行し,橈骨舟状骨関節に軟骨変性が起こり,変形性関節症に進行する.症状は橈骨茎状突起周囲の腫脹疼痛と

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