診療支援
治療

指基節骨骨折
Fractures of the proximal phalanges
副島 修
(福岡山王病院 部長〔福岡市早良区〕)

【疾患概念】

 頻度の高い骨折で,骨折部位で顆部骨折,頚部骨折,骨幹部骨折,基部骨折に分類される.また骨折型は,横骨折,斜骨折,粉砕骨折に分けられる.

【病態】

 直達外力,介達外力のいずれによっても生じる.骨間筋,虫様筋,側索および中央索の作用によって掌側凸の転位を呈し,屈筋腱との癒着を生じやすい.また,回旋転位を呈すこともある.

【臨床症状】

 手指の疼痛,腫脹,変形を生じる.


問診で聞くべきこと

 受傷機転,疼痛の部位,利き手,仕事,趣味について聴取する.スポーツ選手の場合は,そのレベルが治療方針決定に重要となることがある.


必要な検査とその所見

 通常の2方向での単純X線像を撮影するが,正確な側面像は得にくく,必要に応じてCTや3D-CT像で骨折の転位を調べる.さらに小児では,骨端線離開や特有の回転性顆上骨折(rotational supracondylar fracture)があり注意を要する.


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